
ポメ歴、30年。部屋中が毛だらけになる壮絶な換毛期を何度も経験してきました。
ブラッシングのたびにゴッソリ抜けるもんだから、「このままハゲちゃうんじゃないの?」と内心ハラハラするのですが、大丈夫。これは正常な換毛期の抜け毛で、毎回ちゃんと生えそろうんです。
ねね上の写真は私の抜け毛(数日分)! 抜けてスッカスカになっても、2~3か月でモフモフに戻るからスゴイでしょ?
でも、ポメラニアンの脱毛には、通称「ポメハゲ」と呼ばれる謎の脱毛症(アロペシアX)が隠れていることがあります。
- 「これってただの換毛期? それともポメハゲ?」
- 「ポメハゲって、実際どんな経過をたどるの?」
- 「治療法はあるの?ちゃんと元通りに生えるの?」
わがやの5ポメはみんな、換毛期の正常な脱毛と、換毛期ではない病的な脱毛を経験してきました。
NANA「ポメハゲ兄妹」と私の実体験をもとに、見分け方のポイントから実際のケア、そして飼い主のメンタルの保ち方までまとめました
ポメラニアンの抜け毛の量、これは普通なの?

冒頭で書いたように、上の写真は「ねね」の換毛期による抜け毛です。
2.7キロと小柄で、特別毛ぶきがいいわけでもないのに、たった数回のブラッシングでこの量!
1日に数回、掃除機とコロコロローラーをかけても追い付かないほどですが、換毛期はこの量が通常運転で、毎年繰り返していました。
換毛期は春と秋の2回。でも個体差があります
一般的に、ポメラニアンの抜け毛(換毛期)は春と秋の年2回と言われています。でも、実際は季節に関係なく抜けることが多いです。
理由はおそらく、エアコンで室温管理をしているから。
たとえばわが家の5ポメの場合、春と秋というよりは、「いまから気温が下がるのに抜けちゃうの?」と思うような想定外の時期に抜けるほうが多かったです。
具体的には11月とか、真冬の1月や2月に抜けることもあるんですよ。暖房がきいた暖かい室内で過ごしていると、「春がきた!」と毛根が勘ちがいするのでしょうね。
反対に、冷房をつけ始めると「冷えるわね…冬に備えなくちゃ!」と思うのでしょう。真夏なのに冬毛がモコモコ生えたポメちゃんの話もよく聞きます。
ささ「ポメの換毛期は春と秋」って書いてるメディアが多いけど、リアルなポメ界隈はちがうのよね…
ポメラニアンの抜け毛対策
地味ですが、わがやの抜け毛対策はこんな感じ。
- 毎日こまめにブラッシングする
- 換毛期が始まったら、即サロンへGO!
- 飼い主は愛犬の毛が目立たない色の部屋着を着る
- カーペットや寝具の色も愛犬の毛色に寄せる
- カフェに行く際は愛犬に洋服を着せる
ポメラニアンは毎日のブラッシングが欠かせない犬種です。
耳の後ろや脚の付け根(おまたの部分)など、よく動く場所は毛が細くて毛玉になりやすいエリア。やさしくほぐしながら、こまめにブラッシングしてあげてください。
また、体幹部のアンダーコートはフェルト状にからみやすいのが特徴です。毛をしっかりかき分けて根元からブラッシングし、皮膚トラブルや毛玉の原因になる抜け毛をきちんと取り除いてあげることが大切です。
とはいえ、ポメラニアンの抜け毛の量はとにかく凄まじいので、途方に暮れることも…。シャンプーすると抜けた毛が指にからみつくし、タオルにも毛がいっぱい付着するので大変です。
NANAなので私は、「換毛期がきたぁ!」と気付いた瞬間にサロンを予約。プロの手を借りつつ、いちばん大変な時期をちゃっかり乗り切っています
抜け毛が激しい時期は、愛犬の被毛と同じ色の洋服や淡いグレーの部屋着を着るのがおすすめ。毛がついても目立ちにくいです。
わが家の5ポメはウルフセーブルとオレンジセーブルなので、ベージュ系の洋服を買うことが増えました。
ちなみにソファやカーペット、布団カバーもベージュ。ポメラニアンと生活を始めてから、ベージュが大好きになりました!
そうそう。ドッグカフェやペット同伴OKの施設に遊びに行くときは、お店の迷惑にならないよう、最近は洋服を着せて床に毛を落とさない配慮も一般的になってきましたよね。
NANAとはいえ、抜け毛にはポメ特有の病態が隠れていることもあります。この次は、換毛期の脱毛と病的な脱毛のちがいについて見ていきましょう
換毛期の抜け毛とポメハゲのちがい

ポメラニアンの抜け毛には、犬種特有の脱毛症「アロペシアX(ポメハゲ)」が隠れている可能性があります。
換毛期は掃除が追い付かないほど大量の抜け毛が生じますが、ブラッシングでたくさん毛が取れる=ポメハゲとは判断できません。ポメハゲには、抜けるだけではない大きな特徴があるんです。
「うちの子はポメハゲ?」 5つのチェック項目
ポメハゲ(アロペシアX)の脱毛には、5つの特徴があります。
- 毛がパサついていて、ツヤがない
- 左右対称に抜けている
- 内もも、喉元、首元の毛から薄くなってきた
- 痒がっている様子はないのに、毛が抜けている
- 皮膚がなんだか黒ずんでいる、黒いシミのようなものがある
換毛期による抜け毛なのか、ポメハゲなどの病的な脱毛なのかを見極める際、私が注目して観察しているのが「毛質」と「ツヤ」です。
換毛期で毛がたくさん抜けていても、残っている毛にハリやコシがあり、ツヤもあるなら、換毛期による自然な抜け毛の可能性があります。
反対に、毛が抜けるだけでなく、毛が細くなったり、パサついたり、以前のようなツヤがないと感じる場合は注意信号かもしれません。
ポメハゲは、ただ毛が抜けるだけではありません

ポメハゲの特徴は、頭と四肢以外の毛が薄くなること。それも左右対称に、まずは喉元や内腿あたりから抜けることが多いです。
痛みも痒みもなく、健康状態には影響しないのですが、肌が乾燥して毛質が悪くなり、ただただハゲる…毛が抜けてしまうんですよね。
わがやのポメたちのケースを紹介すると、換毛期は一気にごっそり毛が抜けるのですが、ポメハゲの場合、脱毛初期は数カ月かけて、ジワジワとステルス的に毛が減っていくような印象があります。そして、毛色もなんとなく退色していきます。
さらに脱毛が進むと、数年で(下の写真のように)尻尾までツルツルにハゲることもあります。

ポメハゲは名前のとおり、ポメラニアンに多い脱毛症ですが、サモエド、シベリアンハスキー、アラスカンマラミュート、トイプードルにも多く見られるそう。
特にトイプードルの罹患が急激に増えていて、「最近はポメラニアンよりトイプードルのアロペシアXのほうが多い」とおっしゃる獣医師さんもいるほどです。
ポメハゲの原因はホルモン関連説と遺伝説があります
- 去勢手術や避妊手術
- 遺伝子
- ホルモンの異常
- 胃腸の不調
- 痩せすぎ / 栄養不足
アロペシアXは発症メカニズムが複雑で、いまだ原因が解明されていない病態です。
去勢、避妊手術後のホルモンバランスの変化に着目するブリーダーさんもいれば、腸内環境や栄養の消化吸収に着目する獣医師さんもいます。
そして、多くの飼い主さんが察しているとおり、遺伝の問題はありそうです(参考1 , 参考2)。
NANAわが家のポメたちはポメハゲばかり。血が繋がった兄妹ですし、皮膚生検の結果からも、遺伝の関与がありそう
ただし、同じ血縁でもハゲていないポメちゃんがいる事実も無視できず、もしかしたら私の育て方や日々のケアに何か大きな「トリガー(発症の引き金)」があったのかもしれない…とも感じています。
ポメハゲの治療法と効果
残念ながら、アロペシアXには「これで絶対に生える!」という確立されたガイドラインがありません。
脱毛の状態や検査結果などに応じ、動物病院ではさまざまな治療が行われています。
内服薬(ホルモン関連など)
- 甲状腺や副腎皮質のホルモン薬
- 男性ホルモンを調整する薬
- 血行改善・血管強化剤
- メラトニン
- 免疫抑制剤
サプリメント・栄養補助食品
- システイン
- R&U
- ビタミンE(ユベラN)
- 海藻類(アルギチャンプ)
- オメガ3脂肪酸(アンチノールなど)
- 燕の巣(ミラネストプロ)
皮膚への物理的刺激・外用ケア
- ダーマローラー
- 低出力レーザー
- 高酸素療法
- 鍼灸 / お灸
- マイクロバブル / 炭酸泉 など
治療法の選択肢が多いのは、決定打がない中で獣医師さんたちが試行錯誤してくださっている証拠。
治療して元通りに生えるケースもあれば、どんどん脱毛が進むケースもあり、治療への反応に大きな個体差があるのが、ポメハゲの本当に悩ましいところです。
ちなみに、治療をしていなくても何かのきっかけで生えるポメラニアンもいます。この「何か」がわかればいいのですが、たいていの場合はナゾ。
また、治療中は反応がなかったのに、治療を中断してから発毛するポメラニアンもいます。
ねねポメハゲって、本当に「X(謎)」すぎない?
ささ生えては抜けるを繰り返すのも、ポメハゲの特徴なのよね。発毛しても油断できないのよ
ポメハゲの治療法は慎重に選びたい
現在、「生える可能性が高い」と言われているのはトリロスタン等を使ったホルモン療法ですが、効果がある反面、全身へのリスク(内分泌系への負担や副作用)も伴います。
そのため、私の印象ではありますが、皮膚科専門の獣医師さんほど、命にかかわらないアロペシアXに対してホルモン薬を使用することに慎重な姿勢をとっているように見受けられます。
一方で、薬に頼らないアプローチが功を奏することもあります。
たとえば胃腸の不調や栄養不良が脱毛の原因として疑われる場合は、食事内容や腸内環境(消化吸収)を見直すことで、毛質がガラリと変化することもあります。また、痩せ気味の子であれば、体重を増やすことで毛量がグッと増えるケースも耳にします。
NANA治療する際は、最初に「自分の軸」を決めておくのがおすすめです。私の軸は「体に負担となる治療はしない」こと。トリロスタンは使わない方針を獣医師さんに伝えました
そもそも、ポメハゲは必ず治療しなければいけない「病気」ではないので、自然に任せるという考え方もあります。家庭の数だけ正解があると感じています。
毛刈り後脱毛とポメハゲのちがい

たぬきカットや俊介くんカットといった、被毛を全体的に短く整えるサマーカットが人気です。…はい、私も愛犬にやってました。
サマーカットはぬいぐるみ感が増してとても可愛いのですが、ポメハゲにくわしい獣医師さんたちは、「ポメラニアンはいかなる場所にもバリカンは使わない方がいい」または「バリカンは足裏だけにしたほうがいい」などと注意喚起しています。
バリカンでポメハゲになるのか、ならないのか問題
バリカンによるサマーカットが必ずしもポメハゲにつながるわけではありません。常に短くトリミングしていても、まったくハゲないポメラニアンもたくさんいますもんね。
現在、ポメハゲのアンケートをとっているのですが、いまのところ「愛犬のポメハゲはサマーカットがきっかけだった」と考えている飼い主さんはごく少数です。
また、愛読している獣医学雑誌には、「サマーカット後に脱毛したと受診する例があるが、アロペシアXはゆっくり進行するため、カットした時点ですでに育毛が止まっていたのではないか」という考察が記載されていました。
とはいえ、私個人は、「バリカンを使った箇所(肛門まわり)から脱毛が全体的に広がった…!」と感じたことがあります。アンケートにも同様の回答がありました。
悩んだ末、ある皮膚科専門獣医師さんの「ポメハゲで脱毛しやすい肛門まわりは避けて、脱毛が進んでも毛が残る足裏だけカットするのはどうですか?」という折衷案を取り入れ、いまは足裏だけバリカンでケアしています。
NANAポメハゲとはまた別の脱毛もあります。それが、毛を短くカットしたあとに毛がなかなか元の状態に戻らない「毛刈り後脱毛」です。
柴犬カット、サマーカットが脱毛の原因になることも
| ポメハゲ | 毛刈り後脱毛 | |
|---|---|---|
| 原因 | 明確な原因は不明 | バリカンやハサミ等で短く刈ったこと |
| 範囲 | 頭部と四肢の先以外、全体に起こる 左右対称 | カットした部分のみ |
| 好発 | 毛量の多い犬種 ダブルコートの犬種 猫にも起こる | ポメラニアン トイプードル サモエド など |
ダブルコートであるポメラニアンは、毛刈り後脱毛になりやすい犬種。いままでは大丈夫だったのに、あるとき急に毛が伸びなくなることがあります。
私は初代ポメで毛刈り後脱毛を経験したのですが、顔まわりのカットライン(ハサミを入れたライン)だけ、数か月間クッキリそのままの状態を保ち、まったく伸びなかったんです。自然に元通りになったものの、ちょっと焦ったのを覚えています。
ポメハゲと毛刈り後脱毛、2つの脱毛タイプには重なる点が多く、獣医師さんでも診断に悩むそう。
自分の経験を思い返しても、当時の脱毛がポメハゲだったのか、毛刈り後脱毛だったのか、あとになってからでないとわからないことがあります。
いずれにしても、ポメラニアンが脱毛しやすい犬種なのは確実なので、気をつけたいですね。
NANAポメラニアンにはサマーカットを勧めないトリマーさんも多いですし、特別な理由がない限り、ポメラニアンは自然なモフモフ状態が望ましいのかな…というのが私の結論です
ポメハゲの弊害

毛が薄くなると皮膚が乾燥し、バリア機能が低下することで膿皮症になりやすくなると言われています。
顔と手足は毛があるので洋服を着せれば可愛くカバーできますが、とはいえ体に毛がないのは寒いし、乾燥するのが心配…そのため、わがやでは室内の温度と湿度管理に加え、虫と紫外線にもかなり気をつかっています。
ですが私の場合、最大の弊害は自分自身のメンタルにありました。
脱毛は飼い主の心も疲弊させます
愛犬の毛が抜けていく様子に直面した際、私は強い焦りと不安に襲われました。
「脱毛の原因が自分にあるのではないか」と責めてしまったり、他人の何気ない言葉に傷ついたり、治療法を模索しすぎてドツボにはまってしまったり…。精神的にも費用面でも、大きな負担を感じました。
そんなとき、あるきっかけでハードルをヒラリと越え、気持ちがとても楽になった瞬間がありました。
脱毛症は「毛が抜ける以外は元気に過ごせる」ことがほとんど。達観すると、脱毛は個性だと思えますし、ツルツルな尻尾やスベスベなお尻が愛しくてたまらなくなるんです。
NANA私は獣医師ではないため、ブログにはあえて詳細を書きませんでしたが、脱毛の原因が内分泌疾患(クッシング症候群や甲状腺機能低下症)である可能性もあります。脱毛を見つけたら、まずはかかりつけの動物病院に相談してください…!
ポメラニアンの抜け毛 まとめ

ポメラニアンと生活するなら、毎日のブラッシングと年に2回の抜け毛(換毛期)は避けて通れないもの。また、ポメラニアン特有の脱毛症にも気をつける必要があります。
換毛期は不安になるほどたくさんの毛が抜けることがありますが、「大量に抜ける=ポメハゲ」ではありません。
「毛がどれくらい抜けたか」だけでなく、「抜けたあとに残っている毛がどんな状態なのか」まで観察することが大切です。
毛質が以前より細くなった、ハリ・コシがなくなった、パサついてきた、艶がなくなった…。
以前とは違う毛質変化、左右対称の脱毛などが見られた場合は、かかりつけの動物病院に相談してみてください。
最近は皮膚科外来も増えていますし、皮膚科専門の獣医師さんもいらっしゃいます。ポメハゲはたしかに手ごわいですが、悲観的になりすぎる必要はありません。生える可能性はありますから…!
つねに明るい太陽みたいなポメラニアンを見習って、抜け毛対策も掃除も、前向きに捉えていきたいですね。
ぎんそして、いつもとは様子がちがう脱毛に悩んでいる飼い主さんは、ぜひ「ポメハゲ部」をのぞいてほしいの…!
ポメハゲ部|アロペシアX情報共有コミュニティを開設しました!
2026年夏、ずっと胸にあたためてきた「ポメハゲ部」を開設しました。
ポメハゲ部は、アロペシアXの飼い主さんの実体験を集め、経過や治療歴などを記録していく情報共有コミュニティです。
- どんな子がポメハゲになりやすいのか
- どんな抜け方をしたのか
- どんな治療をしたのか
- 実際に毛は生えたのか、生えた場合は維持できているのか
- 飼い主さんの心情はどうだったのか
飼い主さんとポメちゃん、一人ひとりの貴重な経験をデータバンクとして残し、ポメハゲと向き合う飼い主さんの参考になる情報を少しずつ増やしていきたいと思っています。
▼アロペシアX情報共有コミュニティ「ポメハゲ部」
https://pomehage.com/
