
「うちの子、もしかしてアロペシアX?」と思ったときに読んでほしい質問集です。
5ポメ全員の脱毛を経験してきたポメハゲ名人が、脱毛についてテーマごとに分類してまとめました。
気になる項目をクリックすると、詳しく解説した記事や情報の出典元をご覧いただけます。
そもそも、うちの子は「ポメハゲ」なの?

Q1.うちの子、毛が薄くなってきました。換毛期?それとも「ポメハゲ」?
換毛期は毛が抜けても新しい毛が生えてきますが、「ポメハゲ」では毛にハリやコシ、ツヤがなくなったり、アンダーコートかオーバーコートのどちらかが極端に減るなど、少しずつボリュームが失われるのが特徴です。
後ろ足の太ももや首元、背中、尻尾の付け根、お尻などから薄くなるケースがよく見られます。
【ポメハゲはサマーカットや病気が原因?】ポメラニアンの抜け毛と上手に付き合う方法
Q2.サマーカットしたら毛が生えてきません。これは「ポメハゲ」?バリカンのせい?
サマーカット後に毛が生えない・伸びない現象は「ポメハゲ」だけでなく、「毛刈り後脱毛症」の可能性もあります。
バリカンが必ず発症の引き金になるわけではありませんが、皮膚と被毛へのリスクを考慮して使用を控えるようアドバイスする獣医師さん、ブリーダーさん、トリマーさんは多いです。
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Q3.「ポメハゲ」に痒みはありますか?皮膚は黒くなりますか?
基本的に痒みはありません。ただし、脱毛によって皮膚のバリア機能が低下し、膿皮症やマラセチアなどを併発することで痒みが出ることはあります。
また、海外でポメハゲが「BSD(Black Skin Disease)」と呼ばれるように、皮膚に黒いシミができたり、背中全体が黒く変色していく(色素沈着)症状が見られるのも大きな特徴です。
Q4.「ポメハゲ」以外にも脱毛の原因はありますか?
脱毛の原因は、甲状腺機能低下症やクッシング症候群といったホルモンの病気のほか、食物アレルギーやアトピー性皮膚炎なども考えられます。
「ポメハゲだと思っていたら、実は別の病気が隠れていた」というケースもあるため、脱毛に気づいたら動物病院で診てもらうと安心です。
「ポメハゲ」って、いったいなに?

Q5.「ポメハゲ」の原因はなんですか?遺伝や避妊・去勢は関係ありますか?
ポメハゲ(アロペシアX)」の「X」が謎を意味するように、原因はまだわかっていません。ただ、遺伝やホルモンとの関係性を示す研究はあります。
避妊・去勢手術との関連もまだはっきりしていませんが、米国のジョージア大学では、発症している犬と発症していない犬、合わせて200頭を対象に遺伝的な要因を探る研究が進められています。報告に期待したいですね。
参考:脱毛症Xの遺伝子解析
Q6.何歳くらいで発症するの?どんなポメラニアンがなりやすいの?
一般的には1~2歳で発症することが多いと言われ、私が運営しているポメハゲ部のアンケートでも同様の結果が出ています。
遺伝や毛色、毛質などとの関係が研究されているほか、「たぬき顔で小柄」「偏食ぎみで痩せ型」のポメラニアンに多いという獣医師の意見もあります。
海外では「ウーリー」と呼ばれる、ぬいぐるみのようにモコモコとした毛質のポメラニアンが脱毛しやすいというデータもあります。
Q7.「ポメハゲ」は完治しますか?治療しないで様子を見てもいい?
残念ながら、ポメハゲは一度発症すると完治は難しいです。「一生、付き合っていくうちの子の個性」と受け入れると、気持ちがラクになるかもしれません。
毛が抜ける以外に痛みや痒みなどの不快な症状がなく、ポメハゲ自体が命や寿命に影響する病気ではないため、「あえて治療しない」飼い主さんもいます。それぞれの家庭に、その子に合った答えがあると思います。
動物病院の選び方と検査

Q8.脱毛を見つけたら、どのタイミングで病院に行くべきですか?
脱毛の状態がポメハゲの特徴に該当する場合は、早めにかかりつけの動物病院に相談してください。ポメハゲはジワジワと脱毛するため、発見時にはかなり進行していることがあります。
早期に治療を始めることで発毛の可能性も高まりますし、なにより「ポメハゲではない別の病気」の可能性を見極めるためにも、早めの受診が大切です。
Q9.なぜ、まずかかりつけの動物病院に行くの?
かかりつけの先生なら、これまでの病歴や検査結果、体重、ふだんの皮膚や被毛の状態など、その子の「いつもの状態」を把握しているからです。
皮膚科専門獣医師に診てもらうことになった場合も、これまでの経過や検査データがあると診察の助けになります。紹介状が必要になることもあるので、日頃からかかりつけの先生と相談しやすい関係性をつくっておくと安心です。
Q10.かかりつけで「様子を見ましょう」と言われましたが不安です。脱毛に詳しい動物病院は、どうやって探せばいいですか?
ぜひ、今の不安なお気持ちを先生に伝えてほしいです。皮膚科に詳しい動物病院を紹介してもらえるかもしれません。
ご自身で病院を探す場合は、日本獣医皮膚科学会認定医リストや、アジア獣医皮膚科専門医リストが参考になります。
ひとつ前のQ&Aと重なりますが、紹介状が必要になるケースもあるので、かかりつけの先生に頼るのが一番の近道です。
Q11.どんな検査をするの?どうやって診断するの?
一般的な血液検査やエコー検査のほか、ホルモンを調べる検査(ACTH・甲状腺)、抜毛検査、皮膚生検(皮膚を少し採取する検査)などを行います。
ポメハゲは、他の病気の可能性をひとつずつ除外しながら診断していくため、検査項目や費用は病院によってさまざまです。
獣医師主催のセミナーで聞いたのですが、飼い主さんが無理なく続けられる治療を提案するため、先生方は予算まで気にされているそうです。こちらから「治療費は月々●●円くらいまでに収めたいです」など、具体的に伝えて相談するのもいいと思います。
実際の治療・ケア

Q12.「ポメハゲ」には、どんな治療方法がありますか?
ホルモンを調整する薬や脂肪酸などのサプリメント、メラトニン、低出力レーザーなどが使われています。獣医師さんたちの研究や取り組みによって、治療の選択肢が増えてきました。
どの子にも同じように効果があるわけではないのがポメハゲの難しい点です。脱毛の程度、費用、効果と副作用のバランス、体調などを見ながら、選択する必要があります。
Q13.どの治療方法がいちばん生えますか?
「この治療なら、どの子も生える」と言える治療法はなく、私自身は「運ゲーだな」と思ってしまいます。
主治医も「アロペシアXの治療はギャンブルのようなもの。でも、ギャンブルであってはいけないから、少しでも治療の精度を上げられるよう、研究を続けているんです」と話していました。
これまでは、ホルモンを調整する薬が比較的生えやすいと言われてきましたが、副作用も心配です。最近はより負担の少ない治療で発毛を目指す選択肢も増えてきました。
Q14.治療を始めたら、どのくらいで毛が生えますか?元のフサフサな毛に戻りますか?
わがやのポメたちは、治療後3〜8か月ほどで発毛していますが、経過はそれぞれです。ほぼ元通りに生えそろう子もいれば、毛質が変わったり、部分的に生えなかったケースもありました。
経験上、早く治療を始めたほうが反応も早いように感じていますが、7年以上ツルツルだった子が生えた経験もあります。希望はあります。
Q15.せっかく毛が生えたのに、また抜けてしまう(再発する)ことはありますか?
うちの子たちのケースですが、一度発毛したあとは生涯、毛量をキープできた子がいます。一方で、再発も何度か経験してきました。
生えたら、そこから新しいステージが始まります。できるケアを続けながら、特に春や秋の換毛期は、皮膚と被毛の変化をよく観察しておくといいと思います。
Q16.シャンプー・保湿剤・サプリメントでは生えませんか?
自宅でのケアだけで生える子はたくさんいます。とはいえ、効果に個体差がありすぎて、「あの子が生えたからうちの子も生える」とはならないのが悩ましい点です…。
保湿、皮膚に負担をかけない正しいブラッシング、脂肪酸のサプリメントは、ケアの王道です。
まずはかかりつけの先生に診てもらい、ほかの病気を除外したうえで、うちの子に合ったケアを探していってください。
Q17.ネットやSNSには毛が生えるサプリやグッズがいろいろありますが、なにを選べばいいか悩みます
ぜひ獣医師さんに聞いてみてください。きっと困ったように苦笑いしながら、率直な意見を教えてくださると思います。
市場に出回っているサプリメントやグッズは、エビデンスが乏しいものも多く、海外のポメハゲ掲示板でもたびたび注意喚起されています。
ついつい足し算になって、ポメハゲアイテムが増えてしまう私たち。マーケティングに左右されないよう、飼い主同士でも意見交換していきたいですね。
Q18.海外ではどんな治療が行われていますか?
私は海外のFBグループや掲示板に参加し、情報を得ています。海外でもポメハゲ関連のマーケティングはかなり盛んだと感じました。
スキンケアに加えて、メラトニンやオメガ3脂肪酸のサプリメントを使う国が多い一方、ホルモンインプラントを積極的に使う国もあります。日本が遅れているようには感じませんし、安全性を重視して進めているように感じます。
ただ、海外製品を自己判断で個人輸入するのは慎重に。何かあったときに、獣医師さんが対応しにくいこともあります。
Q19.腸活やフードの見直しで毛は生えますか?偏食や体重は脱毛と関係しますか?
痩せ型や偏食が被毛に影響すると考える皮膚科の獣医師さんはいます。私自身、愛犬の腸の状態を改善し、体重を増やしたことで、発毛につながったと思える経験をしました。
毛と皮膚の成長には、たんぱく質や脂質などの栄養が欠かせません。ごはんや摂取カロリー、体重も含めて、定期的な栄養状態の見直しは大切だと思います。
心が削られたとき

Q20.毛が生えなかったポメちゃんは、どんなふうに過ごしているの?
わがやには、持病があったためにあえて治療せず、ツルツルのまま生涯を終えた子がいます。スベスベな肌は赤ちゃんのようで、愛しくて毎日頬ずりしていました。
ポメハゲの子は膿皮症になりやすいという獣医師さんの意見もありますし、肌が露出しているぶん、室温や保湿、紫外線に気をつけるなど、肌を守るケアを心がけたいです。
タートルネックやパンツスタイルなど、毛がないからこそ似合うファッションを楽しむのもいいと思います。
Q21.脱毛が進んで、心が折れそうなときはどうしたらいい?
私も同じようにメンタルを削られてきました。獣医師さんの「ポメハゲは可愛い子がなるんだよ」という言葉がきっかけで、「可愛いから仕方ない。むしろ可愛い証拠!」と気持ちをスイッチできました。
ただ、最後の子と思って迎えたはなが二度めの脱毛をしたときは、さすがに、どん底に。結果を焦りすぎて、つらい思いを積み重ねてしまいました。
誰かに話を聞いてほしいときは、よかったら、お問い合わせフォームやInstagramのDMでお気持ちを聞かせてください。
Q22.ハイシニアになったり、ほかの病気になった場合、治療はどうすればいいでしょうか?
見つかった病気や治療法によっては、ポメハゲの治療を中断しなければならないこともあります。
ふたごのポメラニアンは、持病の治療とポメハゲの治療を生涯続けられました。一方、いま育てているはなは腸の持病があるため、ポメハゲの治療を中断し、脱毛が進んでしまいました。
その子にとって何を優先するべきなのか、獣医師さんと相談しながら決めていくことが大切だと感じました。
Q23.あの子はこのサプリが効いたのに、どうしてうちの子は効かないの?
ポメハゲならではの疑問ですよね。「これで生えた!」なんていう広告を見ると、自分のものなら躊躇する値段なのに、愛犬のためならお財布の紐がゆるんでしまう…それなのに、うちの子には効果がない。
JBVP(日本臨床獣医学フォーラム)の市民講座に参加した際、こんなにたくさんの獣医師が勉強にきているのかと驚くと同時に、心強くも感じました。
そして、教授クラスの獣医師さんたちの講義から感じたのは、「マーケティングに惑わされず、もっと身近な獣医師を頼ってほしい」というメッセージでした。
自己流で治そうとすると、脱毛の裏に隠れた病気を見逃したり、治療のタイミングを逃してしまうこともあります。高額なサプリやグッズを買う前に、(しつこいですが)まずは獣医師さんに診てもらってほしいです。
場合によっては、サプリより治療薬のほうが安く済むこともありますし、診察や検査、薬にペット保険が使えることもあります。「治療する・しない」も、「自分でケアする」「自然に任せる」も、まず診断を受けてから考えてみるのはどうでしょうか?
